消えた彼女を探せ!
僕の名前は『田中時臣(たなかときおみ)』。しがない大学生だ。
2013年、10月に入り大学も再開したばかりのある休日の朝、目が覚めてポストをのぞくと、1通の手紙が入っていた。
「なんだこれ……なになに、
君の彼女を誘拐した。
返してほしければ、私が出す謎を全て解き明かし、君の手で彼女を探し出したまえ。
って誘拐!?
なんで彼女がそんな目に……急いで警察に!
いや待てよ、謎か……この僕に謎で挑むとはなかなかいい度胸だな。よし、この挑戦、受けて立つ!
差出人は……ミスター麻婆豆腐……?」
この大変な時に……犯人はふざけているのだろうか。
ちなみに彼女の名前は『涼宮杏子(すずみやきょうこ)』。学部は違うが同じ大学で学年も同じである。
メンタリズムとかいう他人の心を操作する技術について研究しているらしいが、僕にはよくわからない。
そういえば最近、他人の何かを完璧に操る技をあみだしたとかどうとか……いや、そんなことはどうでもいい。
僕は謎解きには自信がある。覚悟しておけ、ミスター麻婆豆腐!
こうして、僕と誘拐犯の知恵比べが始まった。
「……つっても謎なんてどこにも無いじゃん……
待てよ、麻婆豆腐!そうか、中華料理の!」
僕の家の近所には、麻婆豆腐がおいしい中華料理店がある。そこに最初の謎があるのか?いや、あるはずだ!
あー、だんだんおなかすいてきた。 いやいや、じゃなくて。
「のんびりしてる場合じゃない。行くか!」
「着いたぞ!ここに謎があるはず!」
あたりを見回す。ん?あれは?
誰か人が倒れている!
「確かこの人は……杏子のお姉さん!?
どうしたんですか!?うわ……ひどい熱……」
杏子には『三上紅莉栖(みかみくりす)』というお姉さんがいる。
杏子の4つ上で、結婚して名字も変わっている。
「……時臣くん……妹を助けてあげて……
頼んだわ……妹を助けられるのは……あなたしか……」
「彼女は僕が必ず助け出してみせます!任せてください!」
「ふふ……頼もしいわね……じゃあ私から……おねがいが……げほっ、げほ……
ときおみくん……さいごのさいごに……わたしてほしい……わかった?」
「……え、な、何を?というか誰に?ミスター麻婆豆腐?」
返事がない。どうしてこうなった。
いや、わからないことだらけだが、とにかく今は前に進むしかない。
よく見ると紅莉栖さんが右手に何か握っている。
こ、これは……ついに最初の謎だ!
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